密かに、南米を知りたいブームが続いています。
南米といえば・・・シモン・ボリバル。ナポレオンとまぁまぁ同時代の人。
ボリビアだけでなく、ベネズエラも正式国名をベネズエラ・ボリバル共和国としてしまうほどの人だということしか知らず。このシモン・ボリバルを知るための導入として視聴しました。
ボリバルその人の功績はまったく別として・・・映画が。あかん。
まず、よくある副題詐欺。ボリバルはアレキサンダーのように領土を勝ち取ったわけではなく、スペインからの解放を指導した人で?まだレンタルDVDが隆盛の時期にタイトルだけみて借りた人はムカついたろうなと思いました。
シモン・ボリバルその人の功績が見たいという思いが強すぎたのかもしれませんが。
冒頭30分ほどの、最初の奥さんとの出会いからねちょねちょ幸せシーン、そして黄熱病での死別が長い。
若い二人の美しき出会いから死別のシーンなのだろうと脳内変換を試みるが・・・役者さんがそこそこのオッサンにしか見えないので、若くて体力のないお嬢さんをベネズエラに連れてきたら気候が合わずにすぐに死なせちゃったように見える。
大きなことを成し遂げた英雄の陰には愛する女性の影響が大きかったのだということを強調したいのはわかるんだけど。
長い長い。それは彼の人生にあったかもしれないがざっくり端折って功績がみたい。飽きてしまう。それを見たいなら恋愛映画を見るから端折ってくれ。
やっと、ボリバルが解放運動に人生をかけ始めたあたりから話は大きく動くのだけど、十数年に及ぶ活動をたらたらと描写。
その間、命を懸けて戦った多くの戦友に後々裏切られるという感情揺さぶりたいストーリーも数々。しかし、この人と、そんなに仲良しやったん?と映画だけでその関係を理解できない。
ボリバルその人は超名家の富豪出身。私財をなげうって今の南米の何か国かを独立に導いたわけだけど、一緒に戦ったネームドキャラの皆さんは、いわゆるタイトル通りに「一国を切り取る」夢をみて行動を共にしたのかなと思いました(その後各国でうはうはの独裁やらなんやらで繁栄されるようなので)。
だがしかし、そのあたりの機微も映画をみただけではまったくわからん。そうなんかな?と想像するばかり。
知りたいことを知ることもできないし。映画としての盛り上がりもない。
歴史の教科書のまとめのように、〇年〇〇の戦い。○○を解放といった記述をそのまま追っていくような流れで抑揚がない。
ボゴダ(現コロンビアの首都)解放を映画の一番の盛り上げシーンに持っていきたいのはわかるのだけど、これ一つが天下分け目の戦いであったわけではなく、他の多くの町を長い年月をかけて解放して回ったのだろうなという感じ。
そのあとの、政治家として大コロンビアをまとめようとする時期の描写もとても2時間の尺で、映画として収まるような情報量じゃないんだろうなと思うし。
死に至る経緯についても、Wikiをさらっとみてみると定説とは大いに離れた劇的ドラマを仕込もうとして失敗したんかな~という感じで。
この映画をみて、シモン・ボリバルその人の功績を理解するのは無理だろうと最初から分かってはいたけれど。
映画として抑揚が少なくてイマイチすぎる映画でした。
駄作とかではない、ただなんだか盛り上がりに欠けるト書きみたいな映画だったなという印象。
とはいえ、今現在、一般的にそれなりの価格で手に入るシモン・ボリバルの資料がほとんどない。
気になるけど、日本語のくびきにとらわれている以上、ほとんど選択肢がない。
わりと高額な上に古い資料しかない。
と、行き場のない知りたい気持ちをこの後どうするかな~という感じです。
スペイン語や英語だったらたくさん資料があるのかな。
学術的ではなく、一般的な知識欲を満たせる程度の丁度いい本があればな~と思いつつ。お悩み中。
Youtubeの歴史チャンネルあたりから掘り起こすか。