先週トランプ×ゼレンスキーの会談をYoutubeで視聴していると
トランプが「JD」「JD」と傍らに座る若いブレーンに度々声をかけているのを見て、
そういや副大統領にこの人を指名するときに、彼の出世作だと話題になった自伝を思い出し、さっそく読みました。おじいちゃんが息子か孫にむちゃくちゃ頼ってる感が出てて、頼りにしてるのかと気になってしまったのでした。
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平日の夜中に布団の中で一気読みしてしまって・・・朝まで頭が冴えて寝られなくて翌日の勤務時間中ボロボロでした。
要約を今回はGoogleのジェミニちゃんに出してもらいました。
J.D.ヴァンス著『ヒルビリー・エレジー』は、アメリカのラストベルト地帯で育った著者が、自身の家族を通して貧困にあえぐ白人労働者階級「ヒルビリー」の苦悩を描いた回顧録です。薬物依存、家庭崩壊、教育格差など、彼らが直面する困難を当事者の視点から描き出し、アメリカ社会の分断を浮き彫りにしました。著者は祖母の支えでイェール大学に進学し成功を収めますが、故郷との絆を通して自身のルーツと社会問題に深く向き合います。
ヒルビリー・エレジー~アメリカの繁栄から取り残された白人たち~ (光文社未来ライブラリー) Kindle版
立身出世物語としてエンタメ的な面白さがある。
トランプの支持基盤である地域の出身者。
かつてアメリカの工業力を支えたこのラストベルト地帯の産業衰退と地域崩壊の時代を自身の祖父祖母以降の3世代にわたる親類縁者のふるまい、またその中で著者が育ち、少しづつ視野を広げ、この田舎から巣立っていく経緯が著者本人のリアルな経験として語られる1冊です。
ラストベルト地帯の産業衰退と地域崩壊の過程
まさに、この地域こそがトランプの支持基盤であると、通り一遍の知識はあっても、どのような人々が暮らす街なのかは全く理解できていなかったのですが、イメージがつきました。オピオイド問題で苦しむ炭鉱労働者の町を書いたドープシックの舞台と重なるのも理解できた。
世界中でどの時代でも同じことは繰り返されているし、事実日本でも地方の衰退は明らか。数世代前まではその衰退した地域を顧みることもせず社会はただ経済的な発展を追求していたのだと思うけれど、民主主義の整理、情報の伝わりやすさ、福祉に関する価値観や制度の発展で、国単位で故郷の衰退を放置できない世の中です。
そのラストベルト地域からの立身出世(多分にこの本の成功が寄与)したことで上院議員となり、現在のトランプ第2期政権の副大統領であるのがこの本の著者J・D・ヴァンスなんだなと理解できました。納得の人選。これは人気でるわ。
副大統領として十分な実力があってキャリアを積めば、次の大統領候補として超外野の外国人からも期待せずにはいられない40歳。トランプじーちゃんも頼りにするわ。
余談になりますが
この前の会談の時もゼレンスキーに突っ込まれて感情的にボロが出ててそこに興味を惹かれてこの本を手に取ったわけですが。
怒りの感情をコントロールることが本人の課題であると本人が認識しつつも、会話の天才ゼレンスキーにそこを突かれている。
でもね、怒りって大事だと思います。
あの会談で怒ってしまうということは不利には違いないけれど、人としての信用(誰かを理屈抜きに大切に思っているとか支えたいと感じているとか)そういう部分は見えたかなと思う。怒りを見せずにうちに秘めて対処できた方がいいに決まっているけれどその人間くささがわかりやすさにつながったなと感じました。
私がわりとゼレンスキーが苦手(ウクライナの苦境は理解するし、彼のやっていることはあまりにも偉大だとは思うが、話を聞いている間にその気になって自分の大切な一つしかない命を差し出してしまうような気持ちになってしまうその感覚が怖い)なので余計に気になったのでした。
ゼレンスキーが「ウクライナに来たことがありますか?」と問う場面があったのですが、アメリカ国内には直接的な外的からの脅威ではありませんが、内から食い破られるような貧困や薬物の蔓延する地域が多くあることも間違いなく。
JDにすればラストベルトを見たことがありますか?そこで暮らしたことがありますか?という気持ちもあったかもと思われました。
この本を読んで、アメリカの抱える闇をリアルな感触を以て知ることができたと思った。
それに対する改善策は何も効果が及ばない中で、アメリカは世界中へと資金を提供しつづけているのも事実(我が日本もその傘の中に居続けているのも忘れてはいけないと思う)。
アメリカ国内で貧困にあえぐ地域の人々にしたら他国のためにじゃぶじゃぶとお金を使い続けることが理解できない可能性は高い(使っているせいでややこしくなってる地域もあるが、そのおかげでバランスを保ってる地域もあるのは私程度でも理解はできるので、いきなり全部引き払うのはお願いだからやめてください。アフガニスタンも真っ青の大さわぎですわ。)。
それもあって、性急にトランプが停戦を指導しようとしているのも理解は理解。
当事者置いてけぼりなのはひどい話ですが。
大国の隣に位置するとはいえ、ゼレンスキーのいうように偉大なる海に囲まれた日本からのたわごとでした。
【早すぎる結婚について】
J.D.ヴァンスの祖母は14歳で妊娠、故郷を後にし当時工業的に勢いのあったミドルタウン(JDの故郷)へ移住する。子どもが子供を育てているような非常に困難な環境でJ.D.の母を育てた。そのために、母の人格や生活が安定せず、幼少期のJDの成長環境も安定しなかった。
もし祖母が別の人生を選んでいれば、J.D.の運命も変わったかもしれない。早すぎる結婚は教育機会を奪い、世代を超えた貧困に繋がる。現代と異なり、当時女性が学び直す機会は限られていた。祖母の人生は、時代と個人の運命が複雑に絡み合う例であり、教育の重要性を物語る。
ただ、学はなくとも知力の高かった人であったことは推察され、JDの人生に最も大きな影響を与えたのは祖母である。
もし、祖母が別の人生を歩んでいれば、そもそもルーツを同じくしても早すぎる結婚をすることなく人生を送ることができれば、JDはラストベルトで育つこともなく、もっと安穏と世界最強の国アメリカを謳歌して成長することができたのではないかと。思わずにはいられない1冊でした。