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【本の感想】 エンデュアランス アルフレッド・ランシング(著)

一気に読了しました。生存をかけた遭難者たちの戦いの記録でした。

 

副題とこの再販版の表紙が悪い。この本の内容を完全に思い違いさせる。

ちょっと注意してレビューを見れば、事件当時(1914年から1916年)の遭難当事者の日記や聞き取りを元にかかれた(若干文章の華美なくどさは感じるけれど)ノンフィクション。

 

長くつらい南極圏での遭難とその奇跡的生還の記録です。

エンデュアランス ──史上最強のリーダー シャクルトンとその仲間はいかにして生還したか Kindle版

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ちなみに、この本の再販版で、内容は全く同じです。

エンデュアランス号漂流 (新潮文庫 ラ 15-1) 文庫 – 2001/6/1

エンデュアランス号漂流 単行本 – 1998/10/1

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同じ本と気づかず、中古本でポチ。届く前にKindleで読み始めて大興奮!

読んでる最中に中古屋から本が届き。開いたら内容が全く同じで愕然でした。

注意力散漫の自己責任だとは思うけど、誤認した私の責任もあるとは思うけど。イラっとさせられる。誤認させて商売したり、誤認させて開かせたり、見せようとする記事のタイトルとか引っかかるとほんとイラっとする。

 

 

本題に戻りまして、本の感想を・・・。

 

内容は最高!(若干文章が華美すぎて、ちょっとくどいけど読んでいるうちに慣れた)

事件の当事者の日記や聞き取りが元になっているので、おそらく終わりよければすべてよしで、事実より美しく語られている部分も大いにあるのではないかと推測はしますが。

事件から100年以上経った今日。それはもう枝葉末節の話で。

遭難してから、だれ一人欠けることなく、全員を文明世界に連れ戻したという意味でシャクルトンのリーダーとしてのすばらしさは伝わってきました。

 

冒頭の一説ですが。ひざまづいてシャクルトンに祈っても帰還はできません!

「科学的な指導力ならスコット、素早く能率的に旅することにかけてはアムンゼンが抜きん出ている。だがもしあなたが絶望的な状況にあって、なんら解決策が見いだせないときには、ひざまずいてシャクルトンに祈るがいい」

シャクルトンは疑いもなく、たぐいまれなるリーダーですが、すべての賭けに勝って全員を連れ戻せたという結果があるからそうであるだけで、失敗もするし、癇癪も起こすし妙な行動もするし、かならずしも公平とはいえないし、直感的に動く人です。シャクルトンとそっくり瓜二つの人がいて同じ選択と行動をしても、帰還に失敗する確率の方が高いだろうし、帰還しなかった場合、この評価は得られない。

 

誰もがシャクルトンにひざまづいて祈ってもだめ、シャクルトンが決めたルールと方針にしっかり従ったチームがあったのです。生き残るための想像を超える極限での日々。重労働、重圧。仲良く楽しめる日もあれば、もめにもめた日もある。でも、最後まで生き抜いた人達の物語です。

 

写真がむちゃくちゃ綺麗。

メンバーにカメラマンの人が載っていて、そのフィルムをちゃんと持って帰ってきているんですよね。

大金のかかる南極への大冒険の資金を集めるために、帰還後、この冒険譚をお金に変換して借金を返済するというプランの元に出発しているので、極限の中でも荷物の中に食べ物と並べて記録(個人の日記等)もきっちり持ち帰ったということらしいです。

おかげでこんなにきれいな写真が残される。ありがたいですね。

 

 

 

ChatGPTに遭難事件の経緯をまとめてもらいました。

エンデュアランス号遭難事件(1914-1916)

イギリスの探検家アーネスト・シャクルトン率いる帝国南極横断探検隊が、南極大陸横断を目指した際に起きた遭難事件。

経緯:

1914年、探検隊はエンデュアランス号で南極へ向かう。
1915年1月、ウェッデル海で船が氷に閉じ込められる。
11月、船が圧壊し沈没。隊員は氷上でのサバイバルを強いられる。
1916年4月、小舟でエレファント島に到達。
シャクルトンら6名が**800マイル(約1300km)**を航海し、サウスジョージア島へ救援を求める。
8月、ついに救助が成功し、全員が無事生還。

 

この本で語られるノンフィクションはここまでで。

特に、エレファント島から小舟でサウスジョージア島に着いてから、残りのメンバーを救出しに行く経緯はざっくり省かれています。

シャクルトン冒険者としての行動力ではなく、交渉者としての部分がざっくり抜け落ちている感じ。しゃにむに救助に向かおうと何度も船を繰り出しては借りた船を壊しまくっている・・・。そのあたりをもうちょっと読みたいな~と思って、別の本を!

と思ったところ。同じ本を買ってしまった。

 

事前の調べこみを面倒がるからこうなるのですが。

あんまり事前に調べるとネタバレで所見の驚きと感動が損なわれてしまうのも確か。

 

シャクルトン本人の著作を次は読みたいとは思うが。

本が古くて中古の紙しかないので、いったんステイ状態。

 

 

 

余談のうえ、おそらく繰り言(いつも思うことなので)。

南極物語という映画で樺太犬のタロとジロが一冬を昭和基地で生き抜く映画がはやった記憶があるが。今なら、映画をみたら、映画につながる資料や他の本にも手が届くのに。当時は映画をみたら映画で終わりだったなと。

今が楽しいと思う理由の一つ。あの頃には戻りたくない。狭い(情報という意味で)世界には戻りたくないです。

 

 

グーグルアースでひとっとび、南極圏もエレファント島もサウスジョージア島界隈もずいぶん旅行しましたが。

掲載されている写真は大概がツアーリストの写真。お金があればアデリーペンギンにも皇帝ペンギン(野生)にも出会えるんだな。

 

死と隣り合わせの大冒険はまっぴらごめんですが、お金を大事にして、元気があるうちに行きたいところへは行かねばと思いました。

 

 

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