読了しました。
16世紀以降のスペインや英国の探検家が無限の富を求め、探し回ったエルドラド。その実際の場所と歴史のイメージを手軽にクリアにしてくれる1冊でした。
前半は歴史的資料から集積した、現実でのエルドラドを明確にし、後半はちょっとふわふわしてきてコナン・ドイルの失われた世界の要約や1970年代に流行った脱獄映画パピヨンの記述が多くてちょっと戸惑いましたが
全部読み終わってみると、著者の書きだしたかった現実にあった「エルドラド」は何か?というのが伝わる1冊でした。
黄金郷(エルドラド)伝説 スペインとイギリスの探険帝国主義 (中公新書) Kindle版
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16世紀には黄金都市を求めてさまよった探検家たちが、探検し、地保を築いた土地から得られる様々な鉱物、動植物をめぐり争う時代から、18世紀末頃になり金鉱山、鉄鉱山の利権をめぐって帝国主義的な攻防に巻き込まれる南米オリノコ川流域~ギアナ高地の探検家たちの様相が書かれています。
国家の威信をかけて、国家から派遣される探検家の皆さんです。
その探検家の記録を元に、当時のイギリスが帝国主義的とんでも理屈でベネズエラの国境をいともたやすく押し込んでいく様は圧巻・・・。
現実ってこういうもんで、今の世界の国境はこの歴史が繰り返されて出来上がったものなんだねと、知れば知るほど胸が悪いけど。先に取ったもんがち。ルールができる前に取った者(国)が一番の勝者で、その次はルールを作った者(国)
そして、ルールを自分の都合の良いように解釈し、周辺諸国を黙らせるだけの力を持った国が好きなようにできるという。いつもながらの記録を見ました。
先日読んだ国家が衰退するときの中でも繰り返し出ていたベネズエラ。
この国の為政者がもう少しましな人物であれば、イギリス帝国主義に踏みにじられることなかったんじゃないの?と。なんとなく悔しい気持ちになってしまった。
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どの時代でも庶民ってほんと。自分で自分の運命を切り開くことが非常に難しいです。生きるので精いっぱいだね。生まれた土地と時代でまったくもってその人生の質も長さも全く持って平等ではありえないし。自分の人生。自分の命を自分の意志で自分のために生きることができるのはほんとありがたいです。
全くの余談ですが。作者の方の人生と頭脳がうらやましい。
この地域の歴史の専門家ではなくて、他の地域が専門の方で、大学教授でもなく。京大卒の頭脳を持って、旦那さんのベネズエラへの赴任について行き、その場所で興味をひかれたエルドラドについて、数々の資料を調べ上げこの本を書かれたそうです。
途中でやたら小説ロストワールドや映画パピヨンの要約が入ってきてびっくりしたけど。経歴を読んである意味納得。学者さんなんだけど、専門ではない範囲をまとめられた本という位置づけでいいのかな(私自身、本を読んでわかりにくいとその本を下敷きにしたような小説や映画を一回見てから戻って本を読むことはあるので、後で納得しました)。
おそらく、私より幾分年長の方だと思うけど、旦那さんのキャリアで自分の居場所を移動しながらもその場で興味ある事柄を突き詰めて、こうやって1冊の本として出力できる!ほんと「おかれた場所で生きる」ことをただの我慢ではなく、楽しみとして、自分の人生を活かす、生きる!リスペクトです。
最後に・・・なぜこの本を読もうと思ったかという私の話。
黄金都市ではないが、LEGOの南海の勇者をテーマにしたシリーズ
エルドラド要塞!でエルドラドの文字が頭にあったので、興味を惹かれてこの本を手に取りました。
戦争をモチーフにしたLEGOをはじめとするおもちゃって、それに紐づいている現実に遡って知識を入れていくとめちゃくちゃ血なまぐさい。けど、かわいいしやめられない笑。実際思った以上に血なまぐさい「南海の勇者シリーズ」です。
本で出てきたオリノコ川をさかのぼった中流ではなく、なんとなく海沿いにありそうなエルドラド要塞。これだけ見てると楽しいばっかりなんですが、つい、歴史にも目を向けてしまったのでした。
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レゴで素敵な帆船セットを見かけて、帆船のことを思うと。つい取り出しちゃうこの絵本も・・・そういやリアルってほんとグロいと思い知らされてくれるのについ見てしまう。いつもやってることは一緒だわ笑
レゴだけ見て喜んでればいいのに、うっかり「知りたい」と思ってしまうときがあるわ。
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